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◆2010年03月22日(Mon)◆
『自殺と私のマンガ』
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私がプロマンガ家を目指して友人と二人で描いた「いきなり金星パトロール」という処女作品は、物語の冒頭に自殺未遂する青年が主人公のギャグマンガだった。稚拙で今さら絵や内容にうんぬん言うつもりはないのだが、このストーリーは自殺が話の中心にあり、こういうアイデアは全く精神、肉体が健全な状態でしか描けないものかもしれないと最近思うようになってきた。 そのマンガを描いたそのころは、正直言うと自殺者の気持ちなんてまったく理解できなかった。 今にして思えば、それは心が健康だったからだろう。 今はもうギャグで自殺を描くことは自分にはできなくなってしまった。 こういう事を本当は笑っちゃ駄目なのかもしれない。
蛇足かもしれないが、私の父は旧日本陸軍の軍人だったので、子供の頃から悲惨な戦争の話は色々聞かされてきた。 戦争体験者の語る戦場に笑いはない。 今も日本人なら誰でも戦争をジョークには出来ない。 それと同じだ。
心が健康ならば自殺はしない。 たとえ試みようとしても未遂に終わるだろう。 自殺なんて美しいものでもカッコいいものでも決してない。
自殺が頭をよぎる時・・ 残された者の事を考えて欲しい。 あなたの葬式に出る親の事を想像して欲しい。 あなたの愛する人の事を想像して欲しい。
追記10.03.24 かと言ってギャグマンガから毒を抜いてしまえばいいとも思っておらず、吾妻先生の作品や絶望先生って大好きなんで、うーむ、このテーマを語るのって難しい・・・。
まつもと泉
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